BRT(専用道+一般道)で若葉台・乗り入れを!〜【視察調査】三陸:気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)

 

●  暗礁に乗り上げた・旧上瀬谷通信施設の新たな交通整備

●  都市整備局・局別審査(3月2日)で具体的提案

●  3つの交通手段・具体的提案

●  三陸:気仙沼線・大船渡線BRTを調査(4月13日)

●  BRTの概要

●  BRT整備の経緯

●  BRTのメリット

●  BRT(専用軌道+一般道)で、若葉台・乗入れを!

●  まとめ

 

 

  • 暗礁に乗り上げた・旧上瀬谷通信施設の新たな交通整備

 

相鉄線瀬谷駅と横浜市北西部の旧上瀬谷通信施設跡地を結ぶ新たな交通システム。横浜市は外郭団体・第3セクターの「横浜シーサイドライン」に事業参加を依頼。しかし、採算性や継続性が見込めない事などを理由に「現時点では参加しない」と「横浜シーサイドライン」は回答。「2027年の国際園芸博覧会終了後の跡地利用計画が不鮮明で、重要予測が定まらない。」「長期的な再開発が見込めなければ赤字路線になってしまう。」との考え。市の外郭団体が、参加拒否する異例の事態となっています。

 

 

 

  • 都市整備局・局別審査(3月2日)で具体的提案

 

旧上瀬谷通信施設の新たな交通整備は、土地利用基本計画で位置づけられており、市民の関心が高い事業です。整備には多額なコストがかかります。が、将来の土地利用を見極めながら、柔軟な検討が必要です。この状況をうけて、3月2日の決算特別委員会・都市整備局・局別審査で、参考事例として、以下3つの交通手段を、提案しました。

 

 

 

  • 3つの交通手段・具体的提案

 

①高知県:阿佐海岸鉄道DMV(デュアル・モード・ビークル)

▶乗り換え無しで線路と道路の両方を走れる乗物

 

②三陸:気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)

▶専用走行空間を基本とした、速達性・定時性・輸送能力に優れた、バス車両をベースとした高速輸送システム。震災後に整備された。

 

③名古屋のガイドウェイバス

▶高架専用軌道から一般道路を連続走行するバス

 

 

 

  • 三陸:気仙沼線・大船渡線BRTを調査(4月13日)

 

3月2日の都市整備局への質問後。早速、調査を開始。上記の①〜③の交通手段の視察を申し込み。しかし、コロナ対応等で①&③は視察が出来ず、受入OKを頂いた②の三陸:気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)を視察しました。

赤色のハイブリッド車両@気仙沼駅

 

 

  • BRTの概要

 

「BRT」とは、バス・ラピッド・トランジットの略で、連結バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合せることで、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次機能を備えたバスシステムです。

 

<気仙沼線・BRT>

営業キロ55.3kmに対し、専用道延長約49km(整備率約9割)

 

<大船渡線・BRT>

営業キロ43.7kmに対し、専用道延長約19km(整備率約4割)

 

 

 

  • BRT整備の経緯

 

2011年3月11日の東北大震災による津波で、海沿いを走る路線が壊滅的打撃。JR東日本がBRT事業手法で2つの路線を仮復旧。その後、整備コスト、利用状況、街づくりなどの観点から、地元自治体とJR東日本が協議。利用状況や整備コストなどを踏まえて、最終的にBRT手法で本格整備・復旧する事が決まりました。

 

 

 

  • BRTのメリット

 

①  定時性・速達性の確保

▶BRT専用道の整備により、一定程度確保

→遅延時間が5分未満の割合が9割以上

 

②  ルートの柔軟性

▶専用道整備が困難な区域では、一般道を運行

▶バス車両を利用することで、専用道を大きく離れて運行することも可能

▶災害(津波など)発生時には、そのまま高台に避難可能

 

③  輸送力調整の柔軟性

▶輸送力が小さい(80名/台)ものの、混雑時間帯の増発は容易(通学時間帯に高頻度運転や続行便)

 

④  鉄道よりも整備コストが断然安い

▶整備費用詳細はJRが非公開。であるが、担当者は「鉄道整備コストの、1/3〜1/4」との事

▶鉄道設備(信号・踏切など)は簡易でコスト安。駅は無人。新駅設置コストもあまりかからない

 

⑤  設置工期は大幅短縮

▶鉄道よりも短工期。津波被害から地域の足として、仮復旧にBRT手法が選ばれたのもこの点

 

⑥  将来、鉄道に変更する事も可能

▶バス→鉄道切り替えは、比較的用意(需要が高まり、ベネフィット>コストとなれば)

 

 

 

  • BRT(専用軌道+一般道)で、若葉台・乗入れを!

 

以上のメリットを勘案し、途中まで専用軌道の計画がある「上瀬谷新交通」を、専用軌道+一般道のBRTバス走行とするべきであると提案します。これにより、電車よりも整備コストが安くすみ、瀬谷から1駅だけでなく、その先の若葉台やJR十日市場、東急線青葉台駅など。路線の拡張が柔軟に可能となります。また、需要が予想を大幅に超える場合には、バス(BRT)→鉄道整備に切り替える事も可能なのです。

 

 

 

  • まとめ

 

今まさに早急な検討→実行が必要な「上瀬谷の新交通」。視察調査を踏まえて、上記提案を都市整備局に持っていくつもりです。