【横浜市】郵送申請の方が早い!?〜特別定額給付金(1人10万円)
コロナ禍ですべての市民に1人あたり10万円を給付する「特別定額給付金」。紆余曲折を経て決まりました。横浜市の場合、事業費は3,796億円、対象世帯は182万件で、手続きだけで30億円の経費がかかります。
「これを機にマイナンバーを普及させたい」という意に反して、日本全国の自治体の現場では、膨大な事務処理が発生し混乱が発生しています。
様々な問題があり、詳細を書ききれませんが、例えば
□一部の手続きに「カードリーダー」が必要となる
□暗証番号が難しく(忘れた方も多数)、間違いが続くと、役所の窓口に行かなければならない
□申請から5年の期限が切れた方は再度手続きをしなければいけない
□一部の手続きは、国のシステムと直接繋がるシステムの利用が必要。これが役所にしか置いてない
などなど、先週、横浜市の区役所の窓口には多くの市民が殺到し、その対応に追われました。先週は多すぎて申請を処理しきれず、一旦、書類をお預かり。そして、区役所内で処理をし、順次お返しするという方法で対応しています。今週は少し落ち着いた、と報告を受けていますが、国の「マイナポータル」の不備を含めて、事務処理が追いつかない状況が続いていました。これは、横浜市だけの話ではなく、日本全国の自治体で似たような事態が起こっていると聞いています。
市民のオンライン「手入力」による情報と横浜市(区役所)が把握している情報(住民基本台帳に基づく)と違っている場合、オンライン入力をやり直さなければなりません。従って、オンライン入力でありながら、元の住民基本台帳の情報と突き合わせをしなければいけないという「二重作業」も発生しているようです。
現時点では、オンライン申請よりも、役所から各世帯に郵送される申請書を使った申請の方が早いという「本末転倒」な事態が発生しています。役所から郵送される申請書には、住民基本台帳に基づいた情報が既に印刷されており、データの間違いがなく確認作業がいらないからです。
横浜市は「オンライン申請よりも郵送で申請を」という案内を出しました。しかし、多くの市民には伝わっていません。今回は現在の延長線上で、182万世帯分の事務処理を、「力技」も使って処理しなければなりません。しかし今後、マイナンバーのあり方も含めて「どうしていくのか?」を全国民的に議論していく必要があると考えます。
ちなみに横浜市の郵送による申請用紙の発送は、5月29日から順次始まる予定です。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/seisaku/2020/0428kurashikeizai.html