『地域活性化の処方箋①』 【報告】第5回 リノベーションスクール@北九州
会場
北九州市 中屋ビル(小倉駅より徒歩7分程)
運営
主催:北九州市
共催:北九州リノベーションまちづくり推進協議会
協力:魚町三丁目町内会、鳥町四丁目町内会、鳥町ストリートアライアンス、一般社団法人公民連携事業機構、一般社団法人都市みらい推進機構
日程
2013年8月15日(木)→18日(日)の4日間
<北九州リノベーションスクールとは?>
2011年8月からはじまり、建築・不動産・まちづくり業界のみならず、新たな都市政策、都市再生手法として大きなムーブメントを引き起こしはじめたのが北九州リノベーションスクールです。
北九州にある実際の遊休物件を対象に、四日間で受講生と講師陣が一丸となって実務レベルのリノベーション事業計画を不動産オーナーへ提案し、さらに、スクール後にはその提案をもとに、ブラッシュアップを重ねて実際の事業化に向けて動き出します。
過去4回のスクールでは、小倉の中心街にある17の遊休不動産の事業化提案に取組み、4つの物件が既に事業化され、7つの物件が事業化計画中となっています。事業化の直接的な効果として、実際に191の新規事業者・雇用者が生まれています。
過去のスクールには、全国から163名(福岡県68名、県外95名)の受講生が集まり、リノベまちづくりの第一線で活躍している33名の講師陣が指導にあたっています。事業化を想定したプランを練り上げるというハードルの高いミッションを達成する為に、受講生も講師陣も必死に取組み(=徹夜は当たり前)、4日間の真剣勝負でおこる化学反応が、スクールの最後に大きな成果と感動を生み出しています。
第5回の開会式(課題提出の為、この日から4日間、寝むれない日々が続く・・・)
<スケジュール>
・リノベスクール参加者(30名)は、4つのユニットに別れ、それぞれの対象物件に関する、リノベーション事業計画を完成させ、最終日、オーナーにプレゼンをするのがミッション。
・ 各ユニットに2名のユニットマスター(指導者、ファシリテーター)がつく。
・ レクチャーと、ユニットワーク(プレゼン資料作成作業)が挟んで進められ、レクチャーは、作成作業とリンクしたタイムリーな内容となっている。
・ 夕方、プレゼンタイムがある(プレゼンでは講師から厳しいツッコミあり)。
・ チームビルディングに不可欠なパーティ(=お酒)も開催されるが、受講生及びユニットマスターは、ミッション達成の為、最終日まで、連日の徹夜、食事抜き(時間がない為)など、不眠不休(4日間の睡眠時間累計10時間も当たり前)で、プレゼン資料の作成作業が続けられる。
対象物件の調査の為、ユニットマスターと小倉の街へ
3日目の夜中4時の風景
翌日13 時のプレゼンの為、全員が徹夜で作業中(ユニットA)
<まとめ>
・ 北九州市・小倉駅前の街の活性化事業は、この「リノベーションスクール」を核として動いている。
・ 北九州市(経済局)は、スクールの開催費用を負担するのみで、ビルの改修工事費用など、事業実行段階にはお金を出していない(事業実行は民−民で)。
・ スクールでの事業化案を足がかりとして、それを実際のかたちにする為に、当事者(物件オーナー・行政 他)を巻き込んでいる。
・ 建築家の専門家団体であるHEAD研究会と、リノベ業界の第一線で活躍している講師陣が、ボランティアでフルコミットの協力をしている。
・ 短い時間でハードルの高いミッションをクリアーする為の経験(徹夜を含む)が、ユニット内(受講生及びユニットマスター)の結束を醸成し、最終日のプレゼンを通じて大きな感動を呼ぶ。そして、その感動が、スクール以後の交友にも繋がり、新しい事業を生む種となっている。
・ スクールの中心人物4名でつくった「㈱北九州家守舎」が、北九州の街づくりのエンジンとなっている。「家守舎」はタウンマネジメントを行う事業会社であり、今後、日本全国で必要になってくる、独立採算型の街づくり会社(事業体)の先行モデルである。
<次のアクション>
・ 北九州のリノベスクールのような、街づくりの核となるイベントを、横浜で開催する事が出来ないか、検討する(実現に向け行動する)。
・ スクールのレクチャーで学んだ街づくりの手法を、横浜に当てはめて実行する事が可能か、調査する。
・ 都心部や商店街の活性化が中心テーマとなっているリノベ事業を、郊外部(住宅地)に拡げる事が可能か、調査する。
・ タウンマネジメント会社設立の可能性について、調査する。又、広い地域に拡大させる方法について、考える。
以上