年間利用回数「全国1位!」のコミュニティバス〜武蔵野市の「ムーバス」を視察しました。
● 横浜市の現状:郊外部の地域交通
高齢社会が進む中、郊外部における交通手段の確保が重要です。しかし、山坂が多い地域や、病院や商店街がある駅前まで歩いて行く事が困難な、交通不便地域に暮らす住民の声に答えられていない状況です。他都市では一般的なコミュニティバスの取組みが、横浜市では遅れています。
● 武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」を視察
今年の11月14日に、郊外部の移動手段の確保に向けた取組として、会派で武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」を視察しました。
● 年間利用回数「全国1位!」のムーバス
武蔵野市の「ムーバス」は7路線9ルート、一日あたり約400便、乗客は一日約7,000人、年間約260万人が利用しています。
年間260万人は、武蔵野市民(14.6万人)全員が1年間に約18回乗車する計算で、全国で市民1人あたりの年間利用回数が最も多い、成功事例の1つです。
路線 |
起終点 |
路線延長 |
便数/日 |
1号路線 |
吉祥寺駅 |
4.2km |
53 |
2号路線 |
吉祥寺駅 |
5.2km |
63(67) |
3号路線(境南東循環) |
武蔵境駅 |
2.8km |
42 |
(境南西循環) |
3.8km |
42 |
|
4号路線 |
三鷹駅 |
4.9km |
38 |
5号路線(境西循環) |
武蔵境駅 |
2.4km |
58 |
(境・東小金井線) |
4.7km |
29 |
|
6号路線 |
三鷹駅 |
5.2km |
43 |
7号路線 |
武蔵境駅 |
5.0km |
29 |
● 収支黒字化目前!達成可能な領域に!
1便あたり30分程度で一周する短いルートの設定や、短いバス停間隔(約200m)、小型バスで細街道を通ってサービス提供、時刻表の見直し、利用者へのグループインタビュー・行動調査をサービス向上に活かす取組みなどにより、収支を改善しています。
現在は、バスの減価償却費他すべてのコストを含めて、5千万円の収支不足を税金で補填しています。しかし、現在の利用料金100円を120円に値上げすれば、税金補填がいらなくなる(=黒字化)ところまで、収支が良くなっています。
● コミュニティバス導入について・一般質問(12月8日)
Q(大岩):本市の地域交通の取組は、都市整備局、道路局、交通局と複数の部署にまたがっており、サービス拡充のための予算も不足している。郊外部の交通施策を積極的に展開していく為に、組織・人員・予算などを拡充すべきでは? |
A(市長):高齢化の進展に伴い郊外部の持続可能な交通サービスの確保はますます重要な課題となっています。このような環境の変化や社会的な要請に対応していく為、本市の様々な経営資源を適切に配分しながら、郊外部の交通施策に取り組んでいきます。 |
● まとめ
武蔵野市の「ムーバス」のようなコミュニティバスは、運営方法や財源の問題など様々な課題がありますが、郊外部の移動手段の確保に繋がる有用な取組です。
武蔵野市の「ムーバス」は1995年からスタートし、22年を迎えましたが、その誕生のきっかけは、ある高齢の市民から市長宛に届いた、交通不便を訴える一通の手紙でした。様々な課題はありますが、本市においても市民の一人一人の声に応える、「まっとうな」対応が必要です!