増加するネット上のいじめ〜対策にSNS上の相談窓口を
● ネット上のいじめ
全国のいじめの認知件数が32万件と過去最高を記録する中、最近では、SNSによるいじめが多く発生しています。
内閣府のネット利用に関する実態調査では、スマートフォンの所持率は、小学生で27.0%、中学生で51.7%、高校生では94.8%という結果で、コミュニケーションツールの主流を占めつつあります。
このような環境下で起こるいじめは、未然防止のため、モラルを持った適切な利用について啓発が重要です。
● 衝撃的な事件はSNSがきっかけ
昨年10月に発覚した、座間9遺体事件は、近隣自治体で起きた事件で、横浜市内の犠牲者も出ており、強い衝撃を受けました。犠牲者の皆様のご冥福を、心よりお祈りします。
事件に至るきっかけは、「自殺」をめぐるSNS上でのやり取りであり、SNSをきっかけとした様々な社会問題に対して、真剣な取組みが必要であると感じています。
コミュニケーションツールの主流がSNSに移行し、SNS内でのいじめが多く発生していることを考えると、SNSの対策が急がれます。
● いじめ・ネット対策:一般質問(2017年12月8日)
《質問1:大岩》
本市におけるSNSなどインターネットの適切な利用のための教育について、教育長に伺います。
《回答1:教育長》
小学校では、保護者に向けて資料を配布し、「スマホ・ケータイ」の適切な使い方 を、子どもたちと一緒に考えてもらっています。来年度からは高学年の道徳科で情報モラルについて学びます。 中学校では、技術・家庭科の技術分野で、情報モラルを学びますが、生徒会でSNSの利用を考える取組も始まりました。高等学校では情報の教科で、情報通信ネットワークの仕組みなどを学ぶ際に、しっかりと情報モラルやマナーについて学習します。
《質問2:大岩》
千葉県の柏市や長野県では、SNSを活用した相談窓口を試験的に開設し、従来から行っていた電話相談よりも飛躍的に相談件数が増えたと聞いています。そこで、本市においても、児童生徒にとって相談しやすいSNSを活用したいじめの相談窓口を実施すべきであると考えますが、教育長の見解を伺います。
《回答2:教育長》
SNSは、児童生徒からアクセスしやすい手段ですが、SNSの特性に即した相談 技術を持った人材や多様な相談内容に対応できる体制の整備が必要です。県と協力しながら導入の検討を進めていきます。
●まとめ
昨年の5月31日、横浜市の原発避難いじめ問題に関して、市長は謝罪をしました。市長は面談後、記者団に「二度とこういう事がないよう、市を挙げて取組む」と、いじめ対策にかける思いを延べられました。
再発防止徹底の有効な手段の1つとして、SNSを活用したいじめ相談窓口の設置を要望したところ、教育長からは「県と協力しながら導入の検討を進めていきます。」という前向きの回答を頂いています。又、その後の常任委員会でも、教育長は同様の発言をしています。
いじめ対策を徹底する為にも、提案した事業の進捗について、今後もしっかりと確認していきたと思います。